授業編

5G時代のコミュニケーションと心理学

社会イノベーション学部 心理社会学科

古川 良治 教授

技術の進化で変化するコミュニケーション

このところ、5Gスマホの広告を毎日のように見かけます。皆さんの中にも、既に新しい機種を購入したり、大学に入学したら機種変更しようと考えている人もいるのではないでしょうか。「5G」とは、携帯電話・スマートフォンの5つめの世代(5th Generation)のことで、それ以前とは、通信速度が速くなる、遅延が少なくなる、同時に多数接続可能、といった面で画期的に進化しています。自動運転などにも活用されることが期待されていますが、大容量の動画の送受信が容易になるなどユーザーのコミュニケーションにも多大な影響を与えることが予想されます。

携帯電話・スマートフォンには、これまでにも世代が改まるたびに新しい機能やサービスが付加されてきました。携帯「電話」で、音声通話だけでなくメール、LINE、SNS、動画視聴などができるようになり、スマートフォンはもはや電話にとどまらず、インターネットの端末となっており、対面とは異なるコミュニケーションが可能となっています。

インターネット上での「自己開示」とは

対人コミュニケーションに関する心理学のトピックには、自分のことを他の人に対して伝える「自己開示」というものがあります。初対面の人に名乗ったり、親友に打ち明け話をしたりすることもその例ですが、相手との関係性や話題によって話しやすさや内容が異なります。また、自身の内面に注目しているのか(私的自己意識)、人から見られている自分を意識しているのか(公的自己意識)によっても、自己開示が促進される程度が異なります。さらに、自己開示を行うと相手から同程度の自己開示が返されやすいという特色(自己開示の返報性)もあります。スマートフォンやインターネットでの自己開示は対面と同じように行われるのでしょうか?

新しいメディアを心理学の視点から考える

心理学では、実際に被験者からデータを得て分析を行い、疑問についての答えを導き出していきます。インターネットでの自己開示についても様々な研究が行われており、対面の場合よりも抵抗感が少なくなるといった指摘がなされています。一方で、対面と同様に自己開示への返報性が生じる可能性を示す結果も示されていますが、インターネット上の見ず知らずの人からの自己開示(らしきもの)に同様の情報を返すことにはリスクが伴います。このように、新しいメディアやサービスが登場するたびに、コミュニケーションやその担い手の心理にどのような影響が生じるのか、心理学の視点から検討することはとても大事なことです。5Gに的を絞った研究はまだまだこれからですが、皆さんも一緒に考えてみませんか?

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新しいメディアが私たちに与える影響について考える「メディア心理学」

対人コミュニケーション、マスコミュニケーションにおける既存の研究成果や理論をふまえたうえで、それが新しいメディア環境においても当てはまるのか、あるいは新しい知見が得られるのか等を検討していきます。

高校生へのメッセージ

関心を持った事柄について特定の(例えば心理学の)視点から学ぶだけでなく、同じ問題について多くの学問分野から広い視野にたって知識を修得し考えることができるのが、社会イノベーション学部で学ぶことのメリットだと思います。