特別講義編

新型コロナと闘う、どうなる日本、何をすべきか私たち《後編》

社会イノベーション学部 政策イノベーション学科(政策領域)

内田 真人 教授

講義「日本経済論」から政策評価と成城大学生の提案

後編では、まず、日本政府の政策を国際比較の視点で評価します。また、前編で指摘した内容を日本の抱える根本的な問題として再整理し、解決策を提案します。また、報告会で外部講師からアフターコロナで経済が元に戻るかEコマースに転換されるか問題を提示されました。日本の良いものを残しつつ新しいものを加えて成長を目指すバランスが大切と回答し、提案を仕上げました。

日本政府の政策を評価する

日本政府のコロナ対策を米英と比較すると、生活保障、企業支援面で内容に大きな差はありません。日本で目立つのは、対策規模の大きさ、現金一律給付、マスク配布、大学生支援です。一方、政策の決定や実施に至るまでの遅さ、外国人を含めた弱者に特化した支援準備が乏しい点が課題として挙げられます。

日本の本当の問題は何か?

日本に影響を及ぼした諸問題は、突き詰めると、財源だけでなく、リスク認識の弱さ、情報の活用不足、発想の転換が根本的な問題と整理できます。また、何でも政府に頼るのでなく、私たち国民一人一人が、自ら生き残りをかけて新しい戦略を練って行動すること、つまりイノベーションが大切です。

成城大学生からの提案

今後の具体的な解決策について、3期に分けて意識、制度、教育の軸で提案します。短期的には、10万円給付金は預金せず、消費に回し、経済に還元すべきです。中長期的には、発想を転換し、ITは保有だけでなく有効活用すべきです。そのためには、学校教育だけでなく大人の教育も大事です。さらに若者がチャレンジしやすい環境作りとしてセーフティネットの整備も求めたいです。

高校生へのメッセージ

イノベーションと言っても文系なので新技術の発明を目指しているわけではありません。時代の変化に合わせて日本をより良くするため、日本の持つ良さを残しつつ、新たなアイデアで企業や技術とコラボする提案を練り、社会が求める実践的な人材を育成しています。

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