講義「日本経済論」からファクト(事実関係)の整理
新型コロナウイルスの大流行によって、今、日本経済に何が起きているでしょう。また、感染が完全に終息した後、私たちの社会や経済はどう変わるでべきしょうか。本講座では今年の講義「日本経済論」で議論した成果を2回に分けて紹介します。前編では、新型コロナが経済へ及ぼしている影響、この結果生じた格差を整理し、過去の世界不況の経験から教訓を探ります。
新型コロナウイルスの日本経済への影響
新型コロナウイルス感染防止策、ヒトの接触回避や営業時間短縮等により、東京オリンピックから身近な飲食・レジャーまで、日本経済に幅広く影響が及んでいます。雇用面では失業者の増加は欧米ほどではありませんが、テレワークを余儀なくされ、働き方が変化しました。先行き第2波が心配される中、経済は感染防止とバランスを取りながら、6月以降活動を再開させています。
格差は拡大している!
コロナ危機で同時に明らかになったのは格差の拡大です。感染拡大の下で、経済・社会的に立場が弱い人たちが大きな犠牲を強いられています。具体的には、個人や非正規社員、デジタル対応できない高齢者や地方、発想の転換が難しい企業、そして忘れてならないのは、赤字国債の大量発行で返済負担を将来強いられる私たち若者、です。
過去の不況から教訓を探る
1929年アメリカの大恐慌ではフーバー大統領が自由放任主義に拘り大胆な政策を見送った結果、大不況が長期化し、ニューディール政策では雇用を創出しても経済は成長しませんでした。また、リーマンショックでは問題となった金融でフィンテックが進展しました。今回、社会全体が影響を受ける中、コロナ危機を前向きに捉え、未来に向けて働き方や制度を見直せば、日本も成長するチャンス!ともいえます。