売り上げを増やすことだけが広告の効果ではない
皆さんは、「この広告には効果があった」と聞いたら、どのようなことを想像しますか? まず思い浮かぶのは、広告が出されることによって、商品の売り上げが増したということではないでしょうか。もちろん、広告を出したら売り上げが増したと言えるのであれば、それは広告の効果と考えられます。では、その広告が出されることによって、商品の知名度が上がったとしたらどうでしょう? 広告心理学の世界では、こうした現象も広告の効果に含まれます。
「あった」、「なかった」だけでは決められない広告の効果
広告研究の古典に、「AIDMA」(アイドマ)と呼ばれる広告効果モデルがあります。最初の「A」は “Attention”(注意)、「I」は “Interest”(興味)、「D」は “Desire”(欲求)、「M」は “Memory”(記憶)、最後の「A」は “Action”(行動)を意味します。広告の効果は「あった」「なかった」だけで決められるものではなく、順を追って深まっていくという考え方です。買うには至らなかったけれど、広告を見ることによってその商品に興味を持ったとか、思わず注意を向けたとかいうことも、広告の効果と言えます。
様々なモデルが掲げられてきた広告効果階層モデル
AIDMAの後も様々なモデルが掲げられてきましたが、これらのうちの多くは、段階を踏んで効果が深まっていくことを示しています。このようなモデルは、「広告効果階層モデル」などと呼ばれ、媒体の種類や、広告でアピールされる商品の種類によらず、用いられてきました。近年はインターネット広告専用のモデルも考えられていますが、階層構造を成しているという部分は共通しています。
広告のこと以外も、幅広く学ぶ
広告の効果に関する話は、「広告心理学」の内容の一部ですが、マスコミュニケーション学科では、ジャーナリズム、マスコミの歴史、対人コミュニケーションなどについて、幅広く学ぶことができます。1年次前期から、さまざまな専門科目を少しずつ学んでいくカリキュラムが用意されています。