特別講義編

データサイエンス科目:課題解決に役立てるロボットプログラミング、情操も育む音楽演奏プログラミング

全学共通教育科目 データサイエンス教育特別研究室

森 由美 成城学園参与

成城大学のプログラミング教育

成城大学のデータサイエンス教育研究センター(CDS)が開講するデータサイエンス科目群では、目標を持って楽しみながら取り組むプログラミング教育を推進しています。「データサイエンス入門Ⅰ」では、論理的思考力を高めながら、これからの学生生活・社会生活で活用できるプログラミングの基礎を身に着けることができます。ここでは、「データサイエンス入門Ⅰ」で学ぶ内容について紹介しましょう。

Pepperで学ぶロボットプログラミング

現代社会においては、社会の課題や身近な課題を発見しどのように解決していくかが、重要視されてきています。その取り組みの1つとして、「Society 5.0」で実現されようとしているロボットと共生する社会に向けて、人型ロボットPepperの活用を考えてみましょう。CDSでは、ソフトバンクグループ株式会社及びソフトバンクロボティクス株式会社の「Pepper 社会貢献プログラム2」により提供されたPepperを授業で活用しています。Pepperの持つセンサー類とコミュニケーションの機能を活かして、課題解決型プログラミングに取り組んでいます。

プログラミングの学びを自分の専門分野に活かす

データサイエンス科目での学びを自分の学部の授業や研究に活かすことができます。ここでは3つの例を挙げましょう。

例1:文芸学部の2年生Kさんは、「データサイエンス入門Ⅰ」で学んだロボットプログラミングやAIによるテキストマイニング(テキスト分析)の技術を活用して、同学部の科目「近代国文学会読Ⅱ」の中で研究発表を行いました。担当教授から「これまでにない研究、前代未聞! 」と絶賛されました。

 

例2:社会イノベーション学部の新垣紀子教授(認知科学)が同学部のゼミナールの授業において、学内で初めて人型ロボットPepperを心理実験に活用しました。「占いをするPepper」や「科学的知識を披露するPepper」などさまざまなPepperと対話を行うことにより、ロボットは人と同じように信頼されるのかということについて調査しました。社会イノベーション学部生たちも楽しんで対話プログラミングや心理実験の準備を行いました。

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例3:2020年度のソフトバンクロボティクス株式会社主催のPepperのプログラミングコンテスト「STREAMチャレンジ2021」に受講生から2名が参加しました。SDGsの「つくる責任 つかう責任」に関連してレジ袋の利用削減の課題にPepperを使って取り組みました。ほとんどオンラインでの活動でしたが、特にプログラムの内容について高評価を得ました。

※「Pepper」はソフトバンクロボティクスの商標です。
※成城学園はPepper社会貢献プログラム2に参加しています。

論理的思考力と情操を育む音楽演奏プログラミング

「データサイエンス入門Ⅰ」では、米国・マサチューセッツ工科大学で開発されたビジュアルプログラミング言語であるScratchを使ったプログラミング実習も行います。テーマは、音楽演奏プログラミング「一人オーケストラ」です。楽譜の音符1つ1つをScratchのブロックとしてつなげることでプログラムに仕上げていきますが、単につなげていくだけではなく、楽譜全体の中で繰り返しパターンなどの規則性を発見して新しい関数を作ったり、複数の楽器を並列して演奏するフローを作成したり、独自の楽器の組み合わせや音・リズムをアレンジしたり、音の強弱を工夫したりなどして、世界に1つだけの、自分だけのハーモニーを作り出すことができます。

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高校生へのメッセージ

データサイエンスやプログラミングは、文系・理系を問わず、様々な分野で活用していくことができます。CDSでは興味を持って理解し活用できる工夫をしています。一緒に学んでいきましょう。

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