授業編

カルチャー・ショックを理解する

全学共通教育科目 国際センター

武田 礼子 特別任用准教授

知っていますか?カルチャー・ショックが起きるときの心の動き

皆さんが「カルチャー・ショックだ!」と思われた体験にはどのようなものがありますか?実は私たちは、日常生活の中でもカルチャー・ショックを体験しています。この記事では、カルチャー・ショックのプロセスを紹介し、それを理解して付き合う方法を考えていきます。

新しい環境での体験にはワクワクするけれど・・・

今から約半世紀前にオバーグという人類学者が、新しい環境で体験する表象の解釈が、自分が慣れ親しんだものと異なるときに起こる心理的、感情的、また身体的な反応を含めて、カルチャー・ショックと定義しました。

カルチャー・ショックを体験する前のことを思い出してみてください。学校に海外からの留学生を受け入れること、また初めて参加する海外研修ではホームステイもできるなど、心が躍りませんでしたか?これをカルチャー・ショックが起こる前の「蜜月期 (Honeymoon period)」と呼びます。

やがて適応し、違和感は貴重な経験へ

時間が経っても新しい環境や、周囲の人々に慣れないなど、なかなか思い通りにいかないと悩む時もあるでしょう。その時期は「ストレス期 (Stress period)」である可能性があります。ストレスを感じることは決して気持ちが良いことではないのですが、それに気がつくと、自分が心地よく過ごせるための気分転換のきっかけになるかもしれません。

しばらくすると、以前ほど違和感を持たなくなり、環境に馴染み始める頃を「適応期 (Adjustment period)」と言います。少しずつ適応できると、新しい環境や人々との生活も楽しめるようになります。そして、これまでの良いことも辛いことも、全てが貴重な体験だと思える「受容期 (Acceptance period)」を迎えることができます。

カルチャー・ショックとうまく付き合う

カルチャー・ショックとは、海外に渡航した時、また外国人と接触する時にだけ感じるものではなく、新しい土地に引っ越した時、また高校から大学に進学する時にも、誰しも多かれ少なかれ体験します。そのような時はカルチャー・ショックのプロセスを知り、理解することで、自分が感じるカルチャー・ショックも客観視でき、少しでも過ごしやすくなることを願います。

高校生へのメッセージ

高校よりできるイチ押しの留学準備は英語の勉強です。普段から時事問題(環境、教育、テクノロジー、健康など)にも関心を持ち、また日本についての知識も広げましょう。

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