新型コロナ感染拡大後の学びの変化
新型コロナウイルスの感染拡大は、みなさんの生活に様々な影響を及ぼしたと思います。なかでも大きなインパクトを与えたのは、遠隔授業や自宅学習といった「学びのスタイル」の変化だったのではないでしょうか。最近になって分散登校や短縮授業などが始まり、学びの風景が取り戻されつつあるようです。しかし今後、かつての学びの姿にシンプルに逆戻りしてしまうのは得策ではありません。遠隔授業と登校による対面授業という反対方向の動きを、それぞれの長所と短所を考えながら組み合わせ、新たな学びのスタイルを創り出していくことが大切です。
ビジネス分野における変化
ビジネスの分野では、新型コロナウイルスの感染拡大によってネット通販やテレワークなどの利用が飛躍的に拡大しました。その後、緊急事態宣言が解除されるとともに、デジタル技術を積極的に活用することで大きく変化してきた消費活動や働き方は、少しずつ感染拡大前の姿に戻っているようにみえます。しかし先述のように、以前の慣れ親しんだビジネス・スタイルに回帰するだけでは、企業が競争力を維持することは期待できません。
アフターコロナでは反対方向の動きの両立がポイント
アフターコロナでは、様々な分野においてこうした反対方向への動きを両立させるような「新たなベストミックス」を探し出すことがポイントになります。企業にとっては、ビジネスモデルの転換や多様な働き方を受け入れる組織づくりなどに向けた新ベストミックスを探り、勝ちパターンを再定義することが重要です。
スターバックスの「新ベストミックス」に向けた取り組み
米スターバックスは最近、今後1年半のうちに北米で既存店舗を最大400店閉める方針を明らかにしました (※)。コロナ収束後も店内飲食を求める顧客数はかつての水準に戻らないとみて、代わりに持ち帰り専門店の「スターバックス・ピックアップ」を増やすことにしたようです。新店舗の役割は顧客に商品を渡すだけにみえますが、ネット通販と組み合わせることで欲しい商品を短時間で確実に入手できるという新たな価値を顧客に提供することにもつながっているのです。
※参照
- 「コロナと企業 変わる土俵(1)進化か退場か、迫る覚悟-危機生き抜く3条件」『日経新聞』2020/06/16