授業編

プログラミングを学んで自分の生活を改善しよう
-非専門家がプログラミングを学ぶ意義-

経済学部 経営学科

渡邊 隼史 准教授

専門家でなくてもプログラミングは役立てられる

プログラミングというとどんなことを思い浮かべるでしょうか? 専門家が人工知能を使って高度で革新的なことをすることをイメージしたり、文系の自分とは関係ないと思う人もいるかもしれません。ここでは、専門家でなくてもプログラミングを学べば役立てられる場面はかなりあることを紹介したいと思います。

プログラミングで仕事時間を短縮

皆さんの手元にあるパソコンは一度仕事内容を伝えてしまえば、面倒で間違えやすい作業でも、何百回でも何百万回でも文句をいわず正確に素早く作業してくれる強力なお手伝いさんのようなものです。このお手伝いさんに仕事内容を伝え、力を最大限発揮してもらう方法がプログラミングといえます。
例えば、私は毎週、授業の教材を20個くらいまとめてアップロードしてリンクとタイトルを一つの文書にまとめる作業をしています。この作業はコピーやペーストを繰り返すだけの簡単なものです。しかし、20個も教材があるとなると、手作業では1時間くらいかかり、間違えも多発していました。そこで、短いプログラムを書き、作業をパソコンに自動でやってもらうことにしました。結果、1回の仕事時間は5分に短縮され、新たに自由な時間を毎週55分も得ることができました。

自分の仕事を自分で楽にすることが大きな意義

この教材整理の作業は世界で私にしかニーズがない些末な仕事です。そのため、専門家に頼むこともできず、既存ソフトもなく、自分で自動化するしかありません。この「自分しかしない些細な仕事を自動化して楽にすること」が、非専門家がプログラムを学ぶ大きな意義だと考えています。
私の例以外でも、NHKで放送されているコロナ県別感染者数表示地図は、記者職の方の開発であったり、旅館運営会社の星野リゾートのシステム開発部の半数は、旅館スタッフ等からの異動組だそうです。これらの非専門家の開発参加の理由も、現場ごとの特殊で変わりやすい小さな困りごと(例:日々変わるコロナ感染や旅館の個性)に対しては、プロに頼むより、現場の人のほうが現実的で柔軟な対応がしやすいからとのことだそうです。

少し学べば、想像以上にいろいろなことができる

皆さんもプログラミングを学んで自分の生活を楽にしたり、世界を改善したらどうでしょうか? ここ数年は、ネットでの学習環境が大幅に向上し、学びの敷居が下がっています。さらに、ライブラリ(プログラムの部品)も便利で使いやすいものも増えています。少し学べば、その部品を組み合わせるだけで想像以上にいろいろなことができると思います。

高校生へのメッセージ

プログラミングの初めての体験には「Python 1年生 プログラミングのしくみ」「Python 2年生 スプレイピングのしくみ」(森 巧尚著 翔泳社)の2冊が、イラスト豊富で馴染みやすくお勧めです。

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