えん罪事件は全て3つのカテゴリーに当てはまる
えん罪は3種類に分けられます。第一は犯罪が起きて真犯人と間違えられる「犯人誤認型」、第二は犯罪とされている行為は存在するけれども、その嫌疑が間違っている「犯罪誤認型」、そして第三は犯罪は実際には起きていないのに犯人とされてしまう「でっち上げ型」です。これまでのえん罪事件は、全てどれかのカテゴリーに当てはまります。
えん罪は社会の根幹を揺るがすことも
えん罪が起きるとどうしてよくないのでしょうか? 上の第一のタイプだと真犯人が刑罰を免れてしまい、更に別の犯罪まで引き起こされるかもしれません。そして、間違った人を罰してしまうような裁判があれば、市民は刑事裁判を信用しなくなり、社会の根幹が揺らぎます。
本人、家族、周囲の人の人生も破壊し尽くす
何より、えん罪は本人だけでなく家族や周囲の人の人生も破壊し尽くします。万一誤って刑務所に送られれば失われた時間は取り返せません。それに加えて、被害者が真犯人ではない人を犯人と思い込んで恨みを抱いたり、復讐心を持ったりするという悲劇まで作り出します。
大切なのは、過ちを繰り返さない刑事司法制度を作ること
それでは、どうしてえん罪は起きるのでしょうか。実際の講義では、捜査にあたる警察や検察の誤り、有罪と判断した裁判官の誤り、有罪の重要な証拠に関わった科学者などの専門家の誤り、そして犯罪から裁判までを通じたマスコミの報道による予断や偏見が生み出されたこと、を具体的な事例を通じて説明します。
大切なことは、実際に起きてしまったえん罪の経験に学んで、過ちを繰り返さないような刑事司法制度を作っていくことです。