さまざまな成り立ちをしている英単語
英語の単語を観察してみると、実にさまざまな成り立ちをしていることがわかります。greenhouse(温室)は、greenとhouseという2つの単語が組み合わされて一語になっています。examはexaminationの一部が省略されています。
brunchは、breakfastとlunchという2つの単語の一部分を合成して作られています。また、NATO(北大西洋条約機構)は、North Atlantic Treaty Organizationの頭文字を合わせて一語として発音されますが、AI(artificial intelligence人工知能)は、頭文字のアルファベットをそのまま発音する語になります。
英単語の内部構造はどうなっているのか
語形成を研究する分野を言語学では、形態論といいます。語の内部構造はどうなっているのか、語はどのような仕組みで作られているか、という問題を扱います。意味を担う最小の言語単位である形態素は、deskやchairのように単独で語として使える要素と、unhappyのun-やhappinessの-nessのように、それだけでは単語として成立せず常にほかの形態素につけて用いられる要素に分けられます。unkindやunhappyのように形容詞にun-がつくと否定の意味を表すのに、untie(結んだものをほどく)やunlock(ドアや箱の錠〔かぎ〕を開ける)のように動詞にun-がつくと否定の意味を表さず、元の状態にすることを表します。つまり、同じunでもどの品詞につくかによって、意味が変わってくることがわかります。
英単語はいろいろな仕組みでできている
次に、unlockableの意味について考えてみましょう。この語には2つの意味があると言われています。ひとつは「錠を開けられる」、もう一つは「錠がかからない」という意味です。前者の意味は、[un+lock]にableがついた解釈で、後者の意味は、[lock+able]にun-がついた解釈です。このように、いろいろな仕組みによって単語ができていることが分かります。