高校生の頃から漠然と留学を考えており、大学1年次に参加した交換留学の説明会で、具体的にイメージできるようになりました。長期交換留学の場合、学内選考があるので、留学前は大学の成績(GPA)を高水準で維持すること、語学検定試験IELTSのスコアアップをはかることに取り組みました。また、2年次のゼミの先生から、交換留学に関するアドバイスや、留学経験者の方にお会いする機会をいただき、留学生活の具体的な計画を立てることができました。
留学先のカナダ・レジャイナ大学を選んだのは、成城大学からはまだ誰も行ったことのない大学で、なんだか面白そうと感じたから。2年次の8月から翌年4月まで8か月間留学しました。レジャイナ大学では、成城の社会イノベーション学部の学びに連動させ、政治学、経済学、文化人類学、心理学などを選んで学びました。留学当初は、専門的な学問分野の単語に耳が慣れておらず、意味を理解するのに苦労しました。そのため、予習・復習を徹底し、クラスで友達をつくって教えてもらうなど、留学前のスローペースな学修姿勢とは比較にならないほど、全力で勉強に取り組みました。留学終盤には、授業の内容を理解し、現地の学生と同じくらいの速さでノートを取ることができるようになり、アカデミックな英語力が向上したと実感しています。
留学中は、大学内の日本語クラスをサポートするTA(ティーチング・アシスタント)やチューターを務めたり、現地高校生の日本語クラスのサポートをしたり、日系人コミュニティに参加したりと、さまざまなことに積極的に挑戦しました。実は、留学するまでは人見知りで、どちらかというと人付き合いが少ない方だったのです。留学先で、自分しか頼れる存在がいない状況に置かれてはじめて、人とのつながりを意識し、そのつながりがさらに大きな輪になっていくことを体感しました。一生分の友人に出会ったと思うほどで、今でもその友人たちと連絡を取り合えることが、すばらしい財産だと感じています。
日本という生まれ育った環境を抜け出し、さまざまな人種や国籍の人々と生活して多様性を学ぶことが留学の目的の一つでした。実際に、カナダをはじめ台湾、インド、アフリカなど世界各国の学生と一緒に学び合ったり、寮で共同生活を送ったりする中で、日本にいた時には関心の薄かった国際問題も身近なこととしてとらえるようになりました。いまだに戦争や内紛が続く地域の学生からその実情を聞き、他人事ではないと強く感じたのです。将来は、英語力を活かして国際的に活動したいと考えています。特に、インドなどアジア圏のエネルギーの盛り上がりを感じたので、そういったエリアで働くことも考えています。
※記事内容・写真は2024年取材時のものです。