日本のアニメをきっかけに、中学生の頃から日本文化に興味を持つようになり、大学では日本語を専攻しました。大学での学びを通じて、日本文化と社会への理解をさらに深めたいと考えるようになりました。また、中日文化交流員として日本人とコミュニケーションを取って活動する中で、異文化コミュニケーションの重要性を実感。在日中国人留学生の異文化適応とメディア使用をテーマにした研究に関心を抱き、自分自身の経験や周りにいる留学生の事例を通じて、このテーマをより体系的に研究したいという想いが膨らみました。そこで、日本に留学し大学院へ進学することを決意。日本の大学院で専門性を深め、キャリアの選択肢を広げたいというプランもありました。
成城大学大学院を知ったのは、小紅書(RED)という中国のSNSプラットフォームです。検索でヒットした中国人の先輩に連絡を取り、話を聞きました。また、大学院Webサイトで異文化適応やメディア利用について研究している先生の存在を知り、メディアやコミュニケーションに関して充実した研究ができそうだと感じました。実際に、少人数制の授業なので教授から丁寧な指導を受けられ、学際的アプローチを重視するカリキュラムへの満足度も高いです。より専門的で深い研究が求められる大学院では、自分で研究課題を設定し、研究を推進する力が大切です。また、論文執筆や学会発表など、研究成果を発信する機会も多く、積極的な姿勢が必要ではないでしょうか。
現在研究しているのは、在日中国人留学生の異文化適応とメディア使用について、特にREDに焦点をあてて分析しています。研究手法は、中国人留学生を対象としたアンケート調査です。現状でわかってきたことは、在日中国人留学生は目的に合わせて日本と中国のSNSを使い分けているということ。例えば、日本語の向上を目的とする場合は、日本の新聞やニュースメディアのSNSを見て、身近な生活に関する情報はREDで収集するといった具合です。就職活動の際、日本企業のリアルな評判をREDで調べているという実態も。これらの結果をさらに分析し、心理的サポートやコミュニティ形成など多方面からメディアの役割を考察し、留学生の適応プロセスを明らかにしていきたいと考えています。大学院修了後は、成城大学大学院での研究成果を活かし、中国でメディア関連の仕事に就きたいです。
※記事内容・写真は2025年取材時のものです。