学部生時代は、共立女子大学の文芸学部文芸学科美術史専修で美術史を学びました。美術史全般の基礎知識を身につけた上で、関心を持っていた印象派の画家クロード・モネをテーマに卒業論文を執筆。美術史は奥深く、学べば学ぶほど自分の視野が広がっていくことを感じ、その面白さに夢中になりました。そして、より詳しく学びたいという思いが募り大学院進学の希望を先生に伝えたところ、私が研究したい領域であれば、成城大学大学院の喜多崎教授のもとで学ぶのがよいと勧めていただきました。大学院進学に向けてオープンキャンパスに参加した際も、先生同士で情報共有をしてくださっていて、安心して進学することができました。
大学院の授業は、学部生時代に学びきれなかった事柄に数多く触れることができ、充実した内容です。授業と並行して、修士論文の執筆に向け、クロード・モネの晩年期の作品でフランスのオランジュリー美術館の「《睡蓮》の部屋」の連作《睡蓮》を中心に、モネの生涯で起こった外的要因が作品にどのような影響を及ぼしたかを研究しています。モネ自身が遺した手紙やインタビューの内容、美術評論家の言葉などを手がかりにするため、フランス語の勉強も始めました。日本語に翻訳されている資料がありますが、やはり自分の感覚でモネに迫るには、原文を解読したほうがより近づけると感じます。また、モネについての研究はたくさんされているのですが、《睡蓮》の研究はあまりされていないのが現状です。作品とモネの人生を照らし合わせながら研究を進めています。
大学から大学院にかけて美術史への理解を深め、研究を進めていくうちに、専門性が高まり、自分で行動して学べることが増えたと感じています。また、学芸員の資格取得に向けた授業も履修しています。大学院修了後は、身につけた知識を活かし、美術史に関係する仕事に就くことや、母校で助手として美術史を学ぶ後輩たちを手助けすることなどを考えています。学部生時代、卒業論文で苦労していたときに、助手の方々に話を聞いていただき、激励してもらったことが卒論を書き上げる原動力になったからです。いずれにしても、美術史に関わり続けていきたいです。
※記事内容・写真は2024年取材時のものです。