東日本大震災での被災やコロナ禍など、予期せぬ出来事に遭遇した経験から、私の中に「現代社会とどう向き合うべきか」という問いが芽生えました。また、復興まちづくりや食を通じた心の支援といった施策に触れ、身近な社会問題に対して、人の心のあり方を大切にしながら自分ができることを知りたいと思うように。そこで、心について学び、社会と人との関係を心理的な視点から深く捉えるために、心理社会学科を選びました。上京への不安もありましたが、多様な人が集まる東京で多くの視点や視野を取り入れ、自分自身の可能性を広げると良いのでは、という後押しもあり、挑戦を決めました。
成城大学には、授業やゼミナールのほかに正課外プログラムがあり、自分のやりたいことを具現化できるチャンスがあります。私は2年次に、「起業家精神を学べる」という点にひかれ、正課外プログラムの「澤柳塾」に参加。「成城生ならではの力を活かして、周囲に価値を届けるサービスを立案せよ」とうテーマのもと、私は震災時の避難生活で感じた「生きるための食」と「心を支える食」の間にあるギャップを解決する防災食をつくりたいと考えました。不便な避難生活の中でホッとできるのは、郷土の味や甘いものを食べた時という実感やデータに基づき、地元・宮城の郷土料理であるホッキ飯やずんだ餅を防災食にすることを提案。共感を呼ぶ企画として高く評価していただきました。自分の体験の中から社会課題を見つけ、人に寄り添う発想力や企画力が磨かれた貴重な経験です。
英語が得意なわけではなかったのですが、入学当初から、交換留学生も住む国際交流学生寮で生活しています。せっかく上京するなら、多国籍の人と出会い、未知の視点を取り入れたいと思ったからです。共同生活を送る中で、文化や価値観の違いに戸惑うこともありますが、丁寧な対話を通じて相手の背景を理解しようと努力することで、信頼関係が築けることを学びました。いつも一人でいたウクライナの留学生に思い切って話しかけたところ仲良くなれたり、母国に帰国した留学生のもとを訪ねたりと、思いがけない経験ができる環境です。
授業もゼミナールも少人数制なので、先生や仲間との距離が近く、自ら考え、発言し、対話する姿勢が大切です。最初の頃はプレゼンテーションで緊張していましたが、回数を重ねるうちに自信がつき、堂々と意見を伝えられるように。所属ゼミでは、異なる文化や価値観を持つ人々への理解を深め、心理的アプローチを通じて実社会の課題解決に貢献することを目指しています。私の原体験は東日本大震災です。家族をなくし、生活が変わる中で、大学に入るまでは、自分が感じたことや想いを伝えるだけでした。今は、その先を仲間と一緒に考え「どうすれば解決できるか」までアプローチすることができている、刺激に満ちた日々です。将来は、社会に優しく、価値ある提案をできる人材を目指し、ゼミでの研究や興味を持ったプログラムに積極的に参加し、視野を広げる努力を続けていきます。
※記事内容・写真は2025年取材時のものです。