国語が好きだったことから、中学・高等学校の国語教員免許状を取得でき、文学についても深く学べる国文学科に魅力を感じました。進学の決め手になったのは、少人数制の教育です。大学では単に正解を探すのではなく、自らの考えを持ちながら多様な視点に触れていくことが求められます。授業後に先生へ気軽に質問できるアットホームな環境は、自分に合っていると感じました。
現在は漢文学に関心を持ち、中国の古典『蒙求』を通して、日本文学や当時の学問との関わりについて学んでいます。実は、高校生の頃から漢文が得意だったわけではありません。大学で学ぶ中で、日本文学と中国の発想とのつながりを知るうちに、当時の中国の考え方や価値観にも触れるようになり、面白いと思うようになりました。漢文学は、古くから日本文学に深く関わり、近代に入ってもその関わりは続いています。例えば『源氏物語』には中国の作品が大きく影響していますし、夏目漱石の「漱石」という名前は『蒙求』に収められた故事成語に由来しています。また、同じ作品でも時代によって解釈や訳が異なり、その違いを比較・考察することにも熱中しています。現在は、「漢文学ゼミナール」に所属し、この『蒙求』をテーマに卒業論文の研究を進めています。
学科の学生は落ち着いた雰囲気の人が多く、それぞれが興味のある分野について真剣に向き合っています。先生方はとても親身で、分からないことがあれば気軽に質問できる距離の近さがあります。所属する漢文学ゼミナールも和やかな雰囲気で、作品の解釈や時代背景について意見を交わしながら学んでいます。研究で行き詰った際にも丁寧にアドバイスをいただける、心強い環境です。
将来は教員として、生徒一人ひとりの考えを丁寧に受け止めながら、自分の考えを分かりやすく伝えられる存在になりたいです。漢文学や文学作品の読解を通して、一つの物事を様々な角度から考える多角的な視点が身につきました。今後はその力をさらに伸ばしつつ、伝える力も磨いていきたいと考えています。そして、文学を通して学んだ、多様な価値観を知ることの面白さを、次の世代の生徒たちに伝えていきたいです。
大学2年次の授業で教わった『蒙求』。『蒙求』は、唐の時代にまとめられた、歴史上の人物の故事を学ぶための幼学書(初等教育用の書物)です。昔の日本では、中国の歴史や中国の著名な人物の故事を、小さい頃から深く学んでいたのだと実感します。鎌倉時代には、故事の内容を説明し、その説明をもとにして和歌を詠んだ『蒙求和歌』という作品も作られました。中国と日本の時代を超えた文化のつながりや昔の日本の学びを実感できる本です。

学部別選抜(A方式)で受験。すべての科目の基礎をしっかり固めることを意識して、準備を進めました。また、過去問は8年分まで遡って出題傾向を把握し、繰り返し解きました。国語は文章を読み解き、自分の考えをまとめる力が求められていると感じたため、論理的に記述することを心がけました。
※記事内容・写真は2026年取材時のものです。