幼い頃から家族の転勤に伴って引越しが多く、住む場所によって大きく異なる「人柄」に面白さを感じて、自分なりにノートにまとめるような小学生でした。そのため、大学では民俗学を専門的に学び、同じ志向の仲間と切磋琢磨したいという思いがありました。他大学にも民俗学の授業はありますが、成城大学の文化史学科のように、学科として専門的に学べる大学は少ないです。民俗学研究の拠点ともいわれる本学科で、思う存分学んでみたいと思い、進学を決めました。
2年次の「文化史実習」は、今も強く印象に残っています。神奈川県の三浦半島にある地域で、泊りがけのフィールドワークを行い、その地域の人々の生活を明らかにするという内容です。事前に調査テーマを決めて現地に入り、住民への聞き取りを行いました。私はその地域独自の葬送儀礼の変遷を調べることになったのですが、最初は思うように調査が進まず苦戦。しかし、先生からアドバイスを受け、寺の住職の方に話を聞きに行ったところ、代々受け継がれている話を聞くことができ、大きな収穫を得られました。地域の中での過去の広がりが見え、今に至るまでのピースがつながっていく感覚がとても楽しかったことを覚えています。日中は、学生がそれぞれのテーマを追って地域内を回り、夜、全員で集まって情報交換をする時間も充実していました。
高校時代は受け身の勉強でしたが、やりたいことを追究するために入った大学なので、民俗学に関連する授業を可能な限り履修して、多くの知識を吸収しようと決めていました。最近では、ヨーロッパ文化や倫理などに関する他学科の授業も受講。民俗学は人間生活のすべてが研究の対象なので、どんな学問ともつながりがあります。ヨーロッパ文化を学べば、日本の文化と比較して全体像をつかむことができるなど、何を学んでも役立ちます。また、ゼミナールは1年次の授業から興味深く感じていた先生のゼミに所属。民俗信仰論をテーマにしたゼミ活動の中で、民俗学が大好きな同級生、先輩、先生から、自分にはない知識を数多く吸収できる素晴らしい環境です。私は現代の突然死をテーマに、SNSなどのコミュニティとの関係性を解き明かしたいと構想を練っています。
2年次からは馬術部に入部。まったくの未経験だったのですが、とにかく馬がかわいくて、すっかり夢中になっています。生き物が相手なので日々のケアが重要で責任も大きいですが、それがやりがいにもつながっています。成城大学の馬術部は歴史があり、OB・OGの方が指導や応援をしてくださることも。先輩方の姿を見て、私自身、卒業しても馬術部を支えていきたいという気持ちを抱いています。
将来は、地域文化を支える柱の一つになりたいと考えています。文化は守るものではなく、育むもの。だからこそ、文化を育む母体である自治体で公務員として働くことが目標です。地域の人々と関わりながら、地域文化に携わるような仕事をしていきたいと思います。
※記事内容・写真は2025年取材時のものです。