人の行動やコミュニケーションがどのように行われているかについて考えるのが好きだった私は、「大学では心理学を学びたい」と思っていました。しかし、心理学の中にもさまざまな分野があり、何を学ぶか決めることができず悩んでいました。そんな時、成城大学の社会イノベーション学部を知りました。くわしく調べるうちにさまざまな分野の心理学を幅広く学べることがわかり、「ここなら学びたいことが見つけられるかも!」と、心理社会学科への進学を決めました。
特に印象に残っているのは、「ヒューマンインターフェイス論」という授業です。この授業では「わかりやすいデザインとは何か」をテーマに、人間の記憶や、ものを見聞きする時の仕組みについて学びながら考えていきます。私は街中にあるチラシやポスターのデザインを眺めるのが好きなのですが、以前は何となく「キレイだな」「カッコいいな」と思うだけで終わっていました。しかし、この授業を受けたことでどんなデザインにも意味や理由があることを知り、「なぜその色を使っているのか?」「なぜその場所に文字が書かれているのか?」「このデザインにすることで見た人にどんな行動をさせたいのか?」 など、モノのデザインについて深く考えることができるようになりました。
入学前に思い描いていた大学生活が送れず、大きなショックを受けました。大学に通えず友達も作れず、身近に相談できる相手が少なかったため心細さを感じました。
オンライン授業が続く中、デザイン関連の動画をたくさん見たり、筋トレをしたり、「家でもできる新しいことにどんどん挑戦しよう!」と現状を前向きに捉えるようにしました。
ピアサポーターの活動の一環で学内イベントのポスターやチラシを制作する際に、ゼミナールや講義で学んだデザインの知識や経験を、具体的に実践することができました。
大学入学と同時に新型コロナウイルス感染症の感染拡大という未曾有の状況となり、大学に登校もできず、当初は「今後の大学生活はどうなってしまうのだろう」と大きな不安を抱きました。しかし、授業はオンライン化しても興味深いものがたくさんあり、心理社会学科の授業で「デザイン」への関心を深めることができました。また、コロナ禍に自宅で過ごす時間が多くなる中「家でもできることはあるはず」と、時間的余裕ができたことを前向きに捉えて新しいことにも挑戦。インターネット上にあるデザインに関する動画をたくさん見ることで、大学での学びをさらに深めることができました。
将来の目標は、人が「わかりやすい」と思ってくれる工夫やアイデアを生み出せるようになることです。そのため現在、ゼミナールで人間の記憶や認知特性について学んでいます。また、デザインについて学びながら、実際にイベントのチラシやポスターなどを自分で一から制作することにも積極的に挑戦しています。ものごとを相手にわかりやすく伝えることの難しさを実感しながら、今後も心理社会学科の授業やゼミナール、課外活動でのさまざまな経験を通して自分の力を高め、人の役に立てる人間になりたいと思っています。
※記事内容・写真は2022年取材時のものです。