高校時代に「大学へ進学して何を学ぶべきか」と考えた際、私は目まぐるしく変化する社会の中で文系・理系両方の視点から総合的に物事を見る広い視野を身につけたいと考えました。また、近年著しい進化を見せるAI業界を見て、「AIに取って代わられない人間ならではの力」を磨きたいとも思いました。そんな中で出合ったのが成城大学の社会イノベーション学部、なかでも政策イノベーション学科です。社会のさまざまな事象や変化を捉え、統計などの手法を用いて分析する同学科の学びは、まさに私が求めていた分野です。データ分析自体はAIの方が効率的かもしれませんが、「データそのものをどう活用するか」という判断は人間にしかできないのではと思い、データを読み解く理系的な力と、社会情勢を捉える文系的な力の両方が学べる政策イノベーション学科への進学を決めました。
私の所属しているゼミナールでは、現代の社会事象を通してものごとを体系的に捉える思考法や、企業がイノベーションに失敗した要因の考察・分析をするための統計的手法について、さまざまな文献を読みながら理解を深めています。文献の内容を社会事象や企業と絡めながら、ゼミナールのメンバーと意見を出し合い考察する中で、自分にはない視点や考え方、ロジックの組み方に触れることができ、とても刺激を受けています。ここで得た問題提起の方法、背景にある因果関係の捉え方、データ分析・考察法などは、ゼミナール内での研究プロジェクトや他の授業でも実践することができます。この経験は、卒業後にどのような仕事に就いても非常に役立つものだと思っています。
大学に行けず、ずっと家にいる状態となり、ただオンライン授業と課題をこなすだけで何かに挑戦する気力を失っていました。
本格的な対面授業の再開や部活である合唱団のピアノ伴奏の練習に追われながらも、さまざまな人との交流やかけがえのない人との出会いがあり、充実した日々を過ごしました。
ゼミナールでの学びを活かして、他の授業やワークショップ、部活などでも積極的に自分の考えを発信することで、自身の可能性を広げることができました。
大学での授業やゼミナールでさまざまなことを学び、ものごとの捉え方や考え方に幅を持たせられるようになりました。印象的だったのが、ゼミナールで扱った文献の中にあった「視点をずらして考える」という話です。そこには1つの視点に囚われたり、自分自身のバイアスやステレオタイプな考え方に流されたりすることなく、複眼的に思考することの大切さが書かれていました。はじめは難しく理解しきれませんでしたが、先生やゼミ生たちと意見を出し合いながら深掘りする中で、まさにいろいろな考え方やものの捉え方があることを実感し、視野を広げることができました。
成城大学は私にとって、新たな知見や視点、それを活かす挑戦の機会、そして何より刺激をもらえる人々との出会いを提供してくれた場所です。大学で得た経験や学び、そしてこれまで私の人生をいい方向に開拓する契機となってくれたピアノを続けて、これからも自分の能力を高めていきたいです。そして、自分にしかできないことを見つけ、世の中に広く貢献できる、そんな仕事に就きたいと考えています。
※記事内容・写真は2022年取材時のものです。