中学⽣の頃に友達からすすめられた⼩説を読んだことをきっかけに読書が好きになり、その後、学校の図書室や地域の図書館に⼊り浸るようになりました。⾼校⽣の時の理系と⽂系の選択では、迷わず⽂系を選びました。この頃には、年間50冊以上の本を読むようになっていました。そして⼤学進学を考えた際、「社会⼈になると学⽣のように好きなことを専⾨的に学ぶことは難しい。これが最後の機会かも」と思い、この4年間で好きな⽂学についてとことん学ぼうと国⽂学科を選びました。
⼤学では中世や近世の⽂学を中⼼に学びたいと思っていたのですが、「中世国⽂学解読」や「中世国⽂学講義」という授業で能や狂⾔について学び、これまで知らなかった新たな分野に興味を持つようになりました。授業では能や狂⾔の演劇の映像を⾒る機会があり、これがとても⾯⽩いのです。能や狂⾔は当時の⺠衆の娯楽でもあったことから⼀般の⼈々の暮らしについて描かれることが多く、例えば、普段こき使われている部下が、上司に⼀泡吹かせてやろうと画策する話などがあります。こうした作品を鑑賞すると「今も昔も⼈々が考えることや思いはそれほど変わらないのだな」と感じ、今まで近寄り難かった能や狂⾔がとても⾝近なものに思えるようになりました。
勉強も⼤切ですが、学⽣⽣活も充実させたいと考えて⼤学のバリアフリーサポーターに所属し、学外ではアルバイトもはじめました。
3年次の春から感染対策のため⼊構が禁⽌になり、授業やゼミでの活動もすべてオンラインとなり残念でした。
オンライン授業にも慣れ、移動や通学などがなくなったことでできた時間を活⽤して、より学びを深めたり、就活に取り組んだりしました。
⼤学では勉強に限らずさまざまな経験を積みたいと思っていたので、ボランティア活動やアルバイトにも積極的に取り組んできました。⾼校まではラクロス部だったので、⼤学でも続けようか悩みましたが、いろいろな活動も並⾏して取り組みたいと思い、学内ではバリアフリーサポーターに所属して、障がいのある学⽣のサポートをしました。コロナ禍に⼊ると学習環境が⼀変し苦労しましたが、悪い⾯ばかりでなく良い⾯にも⽬を向けて、新たにできた時間で読書や能楽の鑑賞といった⾃分にできる学習と就活にも取り
組むようにしました。
私が⼤学で学んだ専⾨分野の知識が、直接仕事として活かせる機会は多くはないと思います。ですが、今まで私が国⽂学という学問に対してとってきた「学ぶ」ということへの姿勢や、知らないこと、はじめての物事への取り組み⽅は、今後社会に出た後でも活かせる⼤切なことだと考えています。その他にも、ボランティアやアルバイトなど、学⽣⽣活を通して経験したさまざまな学びを活かして、社会に貢献できる仕事に就きたいと思っています。
※記事内容・写真は2021年取材時のものです。