言語の違いから生じる、
表現や考え方の差について学ぶ。

文芸学部 ヨーロッパ文化学科 3年

高等学校卒業認定試験合格

フランス語で表現できることが、
日本語で表現できないのはなぜか。

私はカナダ人の父と日本人の母のもとに生まれ、小学5年生までカナダのケベックという地域で暮らしていました。そこではフランス語が公用語として使われていたことから、私は日本語とフランス語が話せるようになりました。しかし、母はフランス語が得意ではなく、私が通訳することもしばしば。その時に、フランス語で表現できることが日本語ではうまく表現できなかったり、その逆のこともあったりという経験をし、フランス語と日本語の違いを学びたいと思うようになり、成城大学のヨーロッパ文化学科へ進学しました。

モノが先か?名前が先か?
ソシュールの構造主義言語学。

1年次に受けた「ヨーロッパの文化」という授業での「ソシュールの言語観」について触れた講義が印象に残っています。ソシュールはスイスの言語学者で、「言語が世界を成り立たせている」と考えていました。私たちは「先にモノが存在し、それに名前をつけている」と思いがちですが、実は逆で「名前がつくことで、その対象が他から区別されるようになる」という考えです。最初に聞いた時は「そんなことある?!」と衝撃を受けました。しかし、「物と物の間に差があるのは人間がその差を設定しているからであり、その方法が『言語』であった」ということを先生がわかりやすく説明してくださり、納得しました。この授業で、「言葉」がいかに重要なものなのかを認識できました。

がんばりすぎて体調を崩し高校を中退

勉強、部活、バイトと欲張って活動し続けた結果、毎日ほとんど寝る時間が取れなくなり、体調を崩し、高校を中退することに。睡眠や休むことの大切さを実感しました。

コロナ禍で授業が完全リモートに

パソコンの使い方や履修登録など、何もわからず一人家で作業するのは大変でした。それを乗り越えて今も大学に通い続けられていることは自分の中で大きな自信になっています。

対面授業が再開、本格的な大学生活がはじまる

毎日がとても楽しい!2年間の大学生活で自分の関心があることが徐々にわかってきて、日々それについて考える時間があり、充実した時間を過ごせていると感じています。

対面授業とオンライン授業、
体感したそれぞれの良さ。

コロナ禍で入学当初から登校が制限され、はじめての履修登録はわからないことだらけで大変でした。本当に困った時は教務部に電話して相談しました。その都度丁寧に教えていただけて、無事履修登録をすることができました。オンライン授業は対面授業と比べて、実は良い面もあったなと感じています。対面の際は、授業によってはその場でレポートを書いて提出しなければいけないこともあります。しかし、オンラインでは提出まで時間の猶予が設けられ、その間にレポートの内容をじっくり考え、添削する事ができました。一方で、わからないことや疑問に感じたことを、その場ですぐに先生や友達に聞けるのは対面の強みだと思っており、それぞれに良いところがあると感じています。

どんな相手のことも理解できるように
なるために、学び続けていきたい。

今はまだ具体的になりたい職業などを決めきれておらず、いろいろな業界・業種のガイダンスなどに参加し、自分にあった仕事が何かを見極めようとしています。ただ、今まで学んできて思うのは、「勉強は自分のためではなく人のためにするものだ」ということ。私には、「多く人々の事情や背景を理解できるようになるためにさまざまな知識を蓄えている」という感覚があります。学び続けていくことで、将来は多様な価値観や考え方に寄り添えるようになることが目標です。

※記事内容・写真は2022年取材時のものです。