「イノベーション」を考察する
イノベーションは、どう定義するかにもよりますが、なかなか狙って起こせるものではありません。例えば、イノベーション=社会に変革をもたらす創造的な発見・発明・改良と無難な形で定義してみましょう。そもそも社会変革をもたらすものなど、事前に知ることができるでしょうか? 確かに事後的には確認できますが…。こういう風に考えていくと、イノベーションは事後的には定義できるが事前には定義できないという特徴がまとわりつきます。
これまでの「イノベーション」から学べることとは何か?
そのことは、言い換えれば、「Innovation is unaccountable」というのがイノベーションの本質だということかもしれません。では、イノベーションの諸事例やそれらの生成プロセスを学ぶことにどういう意義・意味があるのでしょうか? このような問いかけは、そもそも「我々は歴史から何を学べるのか?」というより大きな問いかけに繋がります。

Apple社のケースから見る「イノベーション」
そのような意義・意味の一端を知るために、実際の対面の講義ではApple社の事例を取り上げてみたいと思っています。具体的には、シリコンバレーの成り立ち、社会イノベーションとしてのカリフォルニア州のPrivate Equity FundやLLC(Limited Liability Company)などを規定する会社法や企業機密保護法などの特徴、そのような社会環境下での創業時からのアップル社の発展プロセス、その発展プロセスの中心にいたS.ジョブズのユニークさや異常さ、ジョブズを直接・間接に支えることになった人々などについて紹介していきます。